巨草にとまる
(自宅 庭にて)
家の裏手のちょっとした空きスペース。使い途はないけれど、ここだって土地のうち、もったいないし殺風景だから花のタネでも蒔いておこうということに。
手間いらずで、じょうぶで、花も派手といえば、やっぱりマリーゴールドでしょう――と、そこまではよかった。
僕らが選んだのは、アフリカン・マリーゴールド。深い意味はなく、名前からして頑丈そうな気がしたというだけのことです。
たしかに、すくすくと育ちました。けれど、いっこうにつぼみができない。調べたら、この種類は草丈2mぐらいになるというではありませんか。
花がようやく咲くころには、ほんとうに僕の身長かそれ以上に伸びました。茎だってりっぱなもの。セミがきてとまるくらいですから。これはもう、草ではなく木です。
さんざん伸びに伸びたあげく、台風であっさり全部倒れました。