きっかけ
(2005 ケニア/マサイマラ動物保護区)
昔からカメラや写真に興味があったわけではありません。
むしろ、「せっかく生で見られるチャンスなのに、ファインダーや液晶ばかり見ているなんて、もったいないじゃん」という肉眼派だったのです。
旅行にもカメラを持っていかないことのほうが多かったし、持っていくにしても、古い安物のフィルムカメラ。
わざわざデジカメを新しく買おうなんて、その当時は考えもしませんでしたね。
そんな僕がカメラ好きになったきっかけはこの写真。
2005年、3度目のケニア。このときもやはりオンボロのフィルムカメラでした。
少し強めの風に逆らいながら一頭のキリンが歩いていて、僕はそれをきれいだなあと感じて適当にシャッターを切ったのですが、あとで見てみたら、構図やらピントやら生臭い話はぬきにして、そのときの「感じ」みたいなものがけっこうちゃんと写っていることに驚き、わりと気に入り――そして考えた。
もっと勉強すれば――。
もっといいカメラなら――。
ようするに、なにか勘違いしたということです。