5,000m級の朝
(2003 ケニア/アンボセリ国立公園)
朝早くにナクルを出て、ようやくアンボセリに着いたときは、すでに夕闇でした。
僕にとって、アフリカを代表するイキモノといえば、やはりゾウ。初めてのケニアでしたから、ゾウを見たい気持ちは切実なものでした。
「あそこにゾウがいるよ」とガイドさんが指さしますが、暗くてまったく見えません。アンボセリに行けば念願のゾウを見られる(ナクルにはいないので)と期待していただけに、がっかり。
翌朝、明るくなるのを待ちかねてロッジの庭に出た僕の目に、キリマンジャロがとびこんできました。
富士山すらまともに見たことがない僕が、アフリカ最高峰、5000m級の山と向き合っている――それはなんとも不思議な感覚でした。
そして、その前を横切るゾウの列。
自分がほんとうにアフリカまで来たこと、今アフリカにいることを実感した瞬間です。
ケニア内にいくつかある国立公園の中で、このアンボセリがいちばん好きなのは、このときの感動が忘れられないから。
オル・トカイ・ロッジは、いつかもう一度泊まりたいロッジですね。