渚のダチョウ
(2010 南アフリカ/ケープタウン)
僕にとって、ダチョウはめずらしいものではありません。
海もまた、めずらしいものではありません。
しかし、海とダチョウがセットになると、いささか勝手が違う。
ジンバブエ、ボツワナ、ザンビア、ナミビアと巡り、最後の南アフリカで、最後の見学地である喜望峰へむかう途中でした。
何度もケニアへ行き、さらに5か国ぶんの経験を積んだことで、僕は、少々アフリカのことをわかったつもりになっていたようです。
ダチョウといえばサバンナ――いつのまにか、そう思いこんでいたんですね。
アフリカは広いということを忘れていました。
海辺にダチョウやエランドがいたって何の問題もない。
ダチョウはサバンナにいるもの、ではなく、サバンナにもいるもの、なのです。